実は、この遊園地には、ジュエルホットダイニングと銘打って、鉄道のコンテナ車を改良したような、フードスタンドが5店舗ほど設置されている。そこで、電飾を楽しみながらいろいろ飲み食いが出来るという趣向である。
それで、このジュエルホットダイニングの担当者というのが、私がしばしば一緒に酒を飲んでいるEさん。彼は、SSI認定の利き酒師でもあり、よみうりランドは、最近では「利き酒師のいる遊園地」と呼ばれているらしい。彼が担当するからには、これは相当に期待できると踏んだのだ。
それで、5店舗あるコンテナの中の、一番端にある店舗なのだが、ここだけ明らかに遊園地の雰囲気じゃないというか、なんかオーラが違うというか。なにしろ、日本酒のメニューが、獺祭、宝剣、王祿の渓、屋守、九平次、而今、雨後の月・・・・。燗酒も、大七純米生酛なんかが置いてあるのだ。まあ、早い話、Eさんの独断と偏見がストレートに反映されたメニューだろうか。おや、臥龍梅がない!と思ってEさんに聞くと、五百万石はあったのだが、誉富士と雄町か何かが入手出来なくて、それで今は置いていないとのことだ。とってもこだわる人ですね。とにかく、とても、遊園地の売店で販売しているメニューとは思えない。Eさんの暴走振り、いや、この企画にかける並々ならぬ意気込みがひしひしと伝わってきた。
つまみに、モツ煮を頼んだのだが、これが、柔らくていい塩梅に煮えているし、特に、Eさんお奨めは、「おおまさり」という品種の茹落花生で、これがたいへん大粒でコクのあるものだ。ビールに合いそうだ。そうビールと言えば、地ビールの箕面ビール、サンクトガーレン、多摩の恵等々も置いてある。ワイン、カクテル、ウイスキー、焼酎、泡盛などのメニューも、まったく手を抜いていないぞ!
そして、さすがに酒飲みの立場を理解しているEさんだなと思ったのは、コンテナの近くに、この企画だけのために、普段は設置していないトイレを設置したということだ。これで、安心して酒が飲めるというものだ。
アルバイトの女の子に、日本酒は好きですかと聞いたら、今まで飲まなかったけど、こんな美味しいものだとは知りませんでしたと言っていた。若い人たちが、こうして日本酒の良さを理解してくれるのは、うれしいことでもある。
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