2009年8月21日金曜日

酒の鑑賞と食育、そして本日の酔っ払い(蒼空・九平次)

最近、若い人たちの日本酒離れが進んでいるそうですね。日本酒を愛する一人として、この状況は何とかしたいものです。

何かの記事で読んだのですが、若者の日本酒離れの主な原因として多い順に、1)悪酔い・二日酔いしやすい、2)味が嫌い、3)匂いが嫌い、となっているそうです。

1)の悪酔い・二日酔いについては、単純に誤解ではないでしょうか?どんな酒も飲みすぎれば悪酔い・二日酔いになってしまいますので、自分の酒量をわきまえて飲むことが重要なのは言うまでもありません。

問題は、2)や3)ですが、味や匂いの好き嫌いとなると、もはや人の好み問題であり、これはどうしようもないようにも聞こえます。それでも少し考えてみます。なぜ、日本酒が「不味い」、「匂いが嫌だ」となるのでしょう?

私は、もちろん清酒を不味いとか変な匂いだなんて思ったことがありません。不味い、匂いが嫌だと言う人たちは、簡単に言ってしまうと清酒の美味さがわからないということです。こう言ってしまうと失礼かも知れませんが、彼らには、清酒の味を鑑賞する能力がないのだと言えます。だとすれば、その原因は何でしょうか?それは、私のまったくの独断ですが、現代の若い人たちの食生活の「貧しさ」にあるのではないでしょうか?

私が子供の頃の食事は、おかずの品数は少なく質素でしたが、祖母や母が手をかけた手作りのものをいただいておりました。インスタント製品もほとんどなく、ちゃんと煮干などで出汁をとった味噌汁や、家で飼っている鶏の卵などを使って作られた料理を食べました。野菜などもほとんど買うことはなく、自家栽培や親戚の農家からのお裾分けで、ほとんど賄えていたので、いつも旬の野菜で作った料理をいただくことが出来ました。

思えば、そんな素朴ではあるものの、すべてが本物で手作りの素材の良さを生かした料理を味わってきたわけで、これが、私の味覚や嗅覚を育てるのに効果があったのに違いありません。そして、それは日本酒を味わい鑑賞する際、複雑な味の中に垣間見える、お米の香り、麹由来の味覚、酸、果物の渋みや苦味、飴のような甘さ、などなどの様々な風味の要素を識別するのに大いに役立っているに違いないのです。

このように考えると、現代の若者たちは、本物の味を知らないのかも知れません。それゆえに、日本酒の高貴な味わいを鑑賞するだけの能力が育っていないではないかと心配します。

低迷する日本酒の消費を回復させるには、直接的に若者の嗜好に合う酒を造るというのも必要だと思います。しかし、本来の日本酒の味わいを後世に伝えて行くためには、それを鑑賞できるだけの能力を持った消費者を育成する必要もあり、そのためには、将来の日本酒消費者候補たちである子供たちを、今から食育によって養成しておくことも考えなければならないのかも知れません。

本日の酔っ払い



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2009年8月16日日曜日

昭和秘蔵ラベル

ちょっといい酒を、皆で持ち寄って飲める居酒屋さんというのは便利ですね。

11日は、またしても吉祥寺の「はんなり」で酒飲み友達が集まって、各自酒を持ち寄っての飲み会でした。


このときには、小鼓夏にごり、蒼空、初日正宗、醸し人九平次、香露、亀萬を飲みました。


酒好きが酒を持ち寄ると、それぞれに美味い酒を持って来てくれます。一度に何種類も美味い酒が味わえて幸せです。

初日正宗 昭和秘蔵ラベルは、新潟県長岡市の長谷川酒造の限定200本販売と言われているお酒ですが、なぜかその200本のうちの6本が、私の家の近くの酒屋で売られていました。こういう限定品とか銘打たれたものに対しては、とりあえず買ってしまいます。2本買ってそのうちの一本を、この持ち寄りの会に持っていきました。

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2009年8月15日土曜日

純米酒は純米酒らしく

昨晩は、家の近くの居酒屋で一人呑み。「鳳凰美田辛口純米 剱」を飲みました。

飲もうと口を近づけると、やけに華やかな香り。一口含むと、引き込み香も吟醸っぽく、きれいで円い味がします。

メニューには「辛口純米」となっているので、純米の素朴な味わいを期待して注文しましたのに。これじゃ、純米吟醸ではありませんか?

世の中には「吟醸香」が嫌いな人だっているわけなので、純米酒と銘打っている以上、それらしい味にした方がいいのではないでしょうか。

ちなみに、ネットで検索すると「純米酒」となっていたり「純米吟醸」となっていたりします。いったいどっちが正しいのか?仕様的には、麹米が山田錦45%、掛米が五百万石55%なので、純米吟醸なのではないでしょうか(もちろん精米歩合だけで特定名称が決まるのではないでしょうが)。

本日の酔っ払い
私の飲み仲間のヒデ・ニーロさんです。立川の居酒屋でよく飲んでいるそうです。



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2009年8月11日火曜日

なかなかやるね、大関さん

昨年の12月のことですが、着物の愛好家が集まってクリスマスパーティーを行いました。このときに大関株式会社の営業さんも参加したのですが、この方が大関の菰冠樽を持って来てくれました。樽割りを行い、皆で桝酒を楽しみました。

大関と言えば灘の大手酒蔵で、大量生産で大衆向けの普通酒のイメージもあり、地酒通の方は進んで飲もうと思う人は少なくないと思います。しかし、このときの大関はとても美味しかったのです。自分以外の人たちも、みな美味しい、美味しいと喜んで飲んでいました。これはいったいどういう酒なのかと思い、営業さんに聞くと、普通酒だというのです。

どうして普通酒がこんなに美味しいのか、理由を考えると、もちろん楽しい仲間と一緒に飲むのだから美味しいに違いないのですが、それ以上に、今回は蔵元の営業さんが関わっていることが大きな要因でしょう。宅配便などのサービスを使って酒を運ばせればいいのに、この方は、自ら車を運転して(そして当然自分が酒を飲む機会を犠牲にして!)運んできてくれたのです。

この営業さんは、自社の酒を最高の状態で飲んでもらうために、おおいに気を配っていたに違いありません。樽に詰めてから出荷するまでの温度管理、樽詰めの期間の長さ、会場へ持ち込む時の酒の取り扱いなどを、すべて自分で見守りたいと思われたのかも知れません。

飲み手に美味しく飲んでもらおうと真心をこめて振る舞う酒には、どんな銘酒も及ばないものだということを心底実感し、このときに頂いた大関の普通酒は、私にとっては素敵な酒でした。



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2009年8月9日日曜日

狸穴(まみあな) -- ビデオブログの試み

最近オープンした立川の、居酒屋「狸穴(まみあな)」。


料理は刺身などの魚介類がメインのようです。店内はモダンな雰囲気で、居酒屋というより、酒バーと言った方がいいのでしょうか。

金曜日に、ヒデ・ニーロさんと飲みに行ってきました。私は、「ばくれん」と「雨後の月」を飲んでみました。



気づけば、一人で飲みに来ている女性もいます。女性一人でも入り易いお店ですからね。


「お嬢さん、そのため息の理由を、よろしければお聞かせ願えますか?」
「あれ、誰かと思えばいちべーさんじゃないですか?!」
「な~んだ、kisaさんですか?」
「せっかくなので、いっしょに飲みましょう!」

ということで、三人で飲み始めました。


ところで、ヒデ・ニーロさんは、何を飲んでいるの?


ということで、この日も楽しくお酒を飲む三人でした。(終わり)


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2009年8月6日木曜日

一本〆のお酒のビデオ



倒伏しにくく、耐冷性もあり、高精米でも割れが少ないということで、1993年には新潟県の奨励品種になった酒造好適米の一本〆ですが、最近では栽培する農家が少ないそうです。

3月に「にいがた酒の陣」に行ったとき、ある蔵元の方に一本〆について聞いた話ですが、早生品種のため、他の米が実っていない時季に実が出来てしまうそうです。そのため雀が集中して食べにくるということで、大変困るそうです。

中川酒造の「本醸造一本〆越乃白雁」は、そんな一本〆を100%使ったお酒です。昨年の12月に、新潟に行ったときに買ってみて美味しいと思いましたので、今年7月に長岡に行ったときにも、また買ってきました。

以前、このお酒については、「私が総理になったら・・・特定名称酒を廃止します?」の記事の中で、「キリッとした辛口の中にいろんな味が上品に調和している。後味に甘い余韻が広がるのを感じる。」とコメントしました。前回は、上品さや優雅さを感じたのですが、今回は、むしろ力強さを感じました。同じ酒でも、醸造年度によって印象が変わってくるものですね。


本日の酒
一本〆越乃白雁(中川酒造株式会社)
原料米:一本〆
精米歩合:57%
アルコール度:15 - 16%



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2009年8月3日月曜日

その他の映像もアップロード

その他の映像もアップロード

前回のブログ記事には、一本のビデオを載せてみました。
これは、先月、吉祥寺での飲み会で撮影したものです。このときに撮影した別の映像も、YouTubeにアップロードしたので、そちらも載せてみます。

映像1
前回の映像は、午後4時くらいに撮影したものですが、こちらは、もうお少しお酒が入った午後5時より少し前の映像です。すでにかなり酔っている感じです(かなり恥ずかしい!)


映像2
さらに、7時20分くらいになると絶好調になって、映っている方がいます(笑


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2009年8月1日土曜日

ハモニカ横丁で酒持込の飲み会

吉祥寺のハモニカ横丁。人がすれ違うのがやっとの路地には、手ごろな値段でおいしい料理やお酒を楽しめる小さな居酒屋さんがひしめきます。その中の一軒、「はんなり」で、小さな飲み会が開かれました。この前の日曜日のことです。

日本酒、特に東京の地酒が好きな仲間が、各自、お奨めの酒一本を持ち寄りました。店の二階を借り切っての飲み会です。

店の裏口から入ると、二階に上がる狭い階段があります。二階は、十人がやっと入れるスペースで、窓からは夏の西日が射し込みます。決して落ち着いてお酒を飲むような場所とは思えません。ところが、ここに座って一旦酒を飲み始めると、やけにくつろげて、落ち着いた気分になります(閉所恐怖症の方は別としても、人間にとって狭い空間は、どういうわけか落ち着きますな~。茶室とか、トイレの中とか、押入れとか、・・・)。



今回持ち寄ったお酒
丸眞正宗 ぎんから (小山酒造)
月丸 純米吟醸 (西岡河村酒造)*
喜正 吟醸しろやま桜生酒 (野崎酒造)
嘉泉 純米吟醸生貯蔵酒 (田村酒造場)
澤乃井 純米大吟醸水乃記憶 (小澤酒造)
金婚正宗 大吟醸にごり酒 (豊島屋酒造)
澤乃井 奥の手純米無濾過生原酒の飲みかけ(小澤酒造)
無ラベルの酒 (?)

* 「月丸」の醸造元は現在は福井県ですが、元々東京都八王子市の西岡酒造でした。なので、「月丸」は、言わば「名誉東京地酒」です。




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