2008年12月31日水曜日

東京地酒ファンの忘年会


この間の日曜日(12月28日)は、立川の「かほり屋」という居酒屋で忘年会。これは、mixiの東京地酒コミュニティのイベントとして開催された。参加者は皆、東京の酒を愛する人たちだ。

参加者の一人で、このかほり屋さんのオーナーをしている方が、出来たての12種類の新鮮な風味、魅惑的な香りの新酒を用意してくれた。また、一人の参加者は杜氏をしている方で、ご自分で醸した十右衛門という酒を2本持って来てくれた。この酒は本当に素晴らしい酒で、濃醇で飲み応えがある。また、自分自身も飲みかけの貴醸酒(次の記事の「本日の酒」を参照:http://kimonodesakenomi.blogspot.com/2008/09/blog-post_13.html)を持ち込んだ。

つまり、酒の量を合計すると60合くらいになり、これを17人で飲んだので、一人当たり3.5合くらいの計算だ。しかし、これはあくまで平均値で、自分はたぶんこれ以上飲んでいる。4合かひょっとするともっとか?それから、この日の酒は、ほとんどが原酒で通常よりアルコール度が高いということも考慮しないといけない。通常の酒で言えば、私は5合くらいの量を飲んだことになる。早い話が、この量は私には少々多すぎだということだ。

当然だか、相当に酔っ払ってしまった。しかし、仲間と一緒に陽気な気分になって飲んだくれるというのは、いいものではないか?

本日の酒
中取り生原酒 純米無濾過 十右衛門(豊島屋酒造)
生酒でも、火入れの酒でも、十右衛門の濃醇な味わいが好きです。
東京に「十右衛門」と言うすごい酒があることを、多くの人に知ってもらいたい。


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たとえばこのブログの英語版は以下のサイトにあります。
Ichibay Writes about SAKE and KIMONO
詳しくは、「ある翻訳」のサイトをご覧くださいませ。

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2008年12月28日日曜日

樽割りのあるクリスマス

12月23日、「着物DEクリスマス」というイベントがあり参加した。
会場は、東京駅近くのパールホテル八重洲2階にある「シェ・ダイゴ八重洲」。

当日は、50名くらいの参加者で立食形式のパーティが開催された。ドレスコードが着物であり、参加者は若干の例外をのぞき全員着物。なかなか壮観だ。

私の知り合いのジャズ・ボーカリストの萩尾しのさんが、歌を歌ってくれた。ギターの伴奏は、神馬修氏さん。

そのときの様子を収録したビデオを制作したのでご覧あれ。



なお、当日は日本酒での樽割りも行われた。普通酒とは言え、樽の香りが移ってとても新鮮な飲み口のお酒になっていた。


本日の酒
嘉泉 ふねしぼり無濾過生原酒本醸造(田村酒造場)
東京都福生市の酒蔵で製造されたお酒。予約限定品であり、近くの酒屋にあらかじめ予約しておいたもの。
口に含んだ瞬間、ああ嘉泉の味だなぁと感じた。上品でなおかつうま味みが乗っています。
精米歩合:60%
アルコール度:19 - 20%


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2008年12月9日火曜日

私が総理になったら・・・特定名称酒を廃止します?

最近、日本酒の蔵元と一般消費者との隔たりを感じている。

日本酒と一口に言ってもいろいろと種類が多い。たとえば、特定名称酒と呼ばれる酒の中には8種類あり、それらは、「本醸造」、「特別本醸造」、「吟醸酒」、「大吟醸酒」(以上醸造アルコールを添加したもの)、「純米酒」、「特別純米酒」、「純米吟醸酒」、「純米大吟醸酒」(以上醸造アルコールを添加してないもの)である。これら特定名称酒は、醸造アルコールを添加するかどうかや精米歩合の値などによって、どういう名前をつけていいかが法令により規定されている。

また、火入れをしていない「生酒」や、通常2回行う火入れを1回だけ行う「生貯蔵酒」、「生詰酒」などという分類、飲みやすいアルコール濃度にするために通常は加えるべき水を加えていない「原酒」など、いろいろな分類がある。しぼった酒のどの部分を使うかで、あらばしり、中取り、せめという分類もある。*

かくして、「中取り袋絞り純米吟醸山廃無濾過生原酒」などというとんでもなくややこしい名前の酒ラベルが出現するわけだ。この名前は、酒造りの工程をそのまま反映しているようなもので、見る人が見ればなるほどそのような酒かと一応の目安になる。しかし、一般の消費者にとって、これは難しすぎる。いっそのこと特定名称酒なんていう呼称は廃止してしまえと言ったら言いすぎか?

蔵元さんたちは、日本酒マニアや、日本酒批評家や、利き酒師や、国税局鑑定官といった類の方ばかりを見ているみたいな気がする。もっと一般消費者を見ていくべきではないか?

もうすぐ、クリスマス。街は夜になると、あちこちでチカチカ電飾が灯る(省エネ、エコという観点でどうかと思うがそれはさておき)。日本酒とクリスマス、かなり不釣合いな気がする。一方で我々の着物仲間では、毎年、着物を着てクリスマスパーティーをやっているが、今年はついにクリスマスパーティーだけど、日本酒の鏡抜き(樽割り)まで予定している。こういう風に日本酒がもっと身近になっていくと良いと思うのだが・・・




クリスマスと言えば、こんな酒ラベルのデザインも考えてみた。9匹のリスが手に枡酒を持っている。もうお判りですね。九リス枡酒(クリスマス酒)です。


* この辺の分類の話は、国税庁Webサイト「お酒のいろは>日本酒(清酒)に関するもの」に解説があるので、興味ある方は覗いて見て欲しい。
http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/sake/abc/abc-sake.htm


本日の酒
一本〆越乃白雁(中川酒造株式会社)
本醸造一本〆越乃白雁
またまた、私は「一本〆」という名前に惹かれて購入してしまいました。最近は栽培量が減少したなどと何かの資料で読んだりすると、どんなお米なのだろうかとつい興味が湧いてくる。
キリッとした辛口の中にいろんな味が上品に調和している。後味に甘い余韻が広がるのを感じる。
なお、この酒の精米歩合57%は、吟醸酒に匹敵する数値で、ずいぶんと贅沢な本醸造だ。
原料米:一本〆
精米歩合:57%
アルコール度:15 -16%



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2008年12月4日木曜日

新潟清酒達人の集い

新潟清酒達人検定という、新潟清酒の知識力に関する認定試験が、今年3月に実施され、合格者は「銅の達人(3級相当)」として認定された。この検定試験は、今年から始まり、毎年実施していく予定で、来年は二級相当の「銀の達人」も認定される予定だという。

私も、この試験を受け「銅の達人」に合格している。去る12月2日には、合格者向けに「新潟清酒達人の集い」なるパーティーが新潟で開催されたが、私も参加して来た。会費は有料で5000円、新潟への往復の旅費やら宿泊費やら、参加はかなり高くつくのであるが、新潟には何人か知り合いもおり、また新潟は、食べ物も美味しく人々も親切であるなど、一言で言えば良いイメージがあるので参加したのだ。

また、酒造業関係で翻訳の仕事などが出来ればラッキーなので、新潟の蔵元さんや酒造業界関係の方に、とりあえず顔だけでも覚えてもらおうかという気持ちもあった。


紬の着物を着て参加したら、ただでさえでかくて(私の身長は188cm)目立つ男がさらに目立ったようで、テレビのインタビューなども受けてしまった。目立ちたがり屋は、どこに行くにも着物を着ていくといいなとつくづく思う。

そのおかげかどうかは判らないが、蔵元さんや、新潟県の産業労働観光部の方などとお話することができ、名刺交換なども出来てたいへん有意義であった。「新潟清酒達人検定公式テキストブック」の英語化などの話も出ており、今後は、新潟県も世界に清酒の良さをアピールして行くことだろう。こういう状況になれば、私のような酒飲みでかつ翻訳が出来る人材はかなり有用ではないだろうか?好きな酒のことを英語にして世界の人に紹介していく、そういう仕事が出来るなら酒飲みとしてはたいへん幸せなことに違いない。



かつて、新潟の酒は今と比べるとそれほど人気は無かった。日本酒の醸造技術が未発達であった頃は、新潟の水が軟水であるため、酵母菌などの微生物の活動が不十分で発酵がうまく進まなかったらしい。その結果、新潟県で酒を作っても良い酒は出来なかったという。

近年、醸造の技術が向上し、軟水を使った長期低温発酵による酒造りが比較的容易になって来た。また、人々の酒の嗜好の変化もあり、新潟産の後味のすっきりしたきれいな味わいの酒も人気が出てくる。かくして新潟県は、今では清酒出荷量において、兵庫県や京都府に次ぐ出荷量を誇るようになる。そこにはもちろん、県内の酒造関係者の絶え間ない努力があったことだろう。

新潟市には、今年「新潟酒の陣」の際に来て、そして今回また「達人の集い」で訪れたわけだが、前回も今回も感じるのは、新潟県の蔵元、醸造試験所、酒造組合など酒造関係の方々の、一丸になって新潟清酒を盛り立てていこうとする意気込みである。

たとえば、県独自の酒米「越淡麗」の開発、酒造業界内での勉強会や技術交流活動、清酒学校などの教育研修機関の充実、新潟ブランドを守り育てようとする産地呼称制度など、関係者の努力には感銘を受ける。今回の「清酒達人の集い」も、もちろん新潟清酒を推進して行こうとする活動の一環に違いなかろう。

今回、私が東京から参加したと知ると、主催者側の人たちは皆一様に「よく遠くから来てくれました。本当にありがとうございました」と、頭を深々と下げて心の底から感謝してくれる。本物の気持ちが伝わって来るのである。私は、特に新潟の酒が好みというわけではないが、このように感謝されたので、ますます新潟の酒を応援したくなってしまった。

ところで、今回残念だったのは、いろんな人とおしゃべりをしたり、名刺を交換したりしていて、旨い料理や酒を十分に楽しむことが出来なかったことだ。魚介類の美味しい新潟だと言うのに、料理は気づいたときには、サンドイッチ、ケーキ、フルーツぐらいしか残っておらず、そういった食べ物を食べながら酒を飲んだのは、なんとなく納得がいかなかった。まあ、しかし、最後にお土産の四号瓶一本がもらえたので良しとしよう。

本日の酒
「新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり」と「熟成ふなぐち菊水一番しぼり」(菊水酒造)
缶酒である。新潟からの帰りの新幹線車内で飲んだ酒である。各地の珍しい食べ物を味わうのも旅の楽しみのひとつである。

電車の中で食べる駅弁とか、お茶とか、そういった食べ物や飲み物も乙なものだ。だから酒なども、カップ酒や缶酒がいいのである。

しかも、この缶酒は、缶酒だからと言って軽んじることは出来ないぐらい旨い!「新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり」は本醸造生原酒、「熟成ふなぐち菊水一番しぼり」は吟醸生原酒であり、どちらも濃醇で飲み応え十分だ。後者の方が吟醸ということもあり香りがさらに華やかである。

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2008年12月1日月曜日

晩秋の西丹沢と滝

日曜日(11月30日)は、山仲間と神奈川県西丹沢に紅葉を見がてらハイキングに行った。西丹沢自然教室の駐車場に車を停めた。目指すピークは畦が丸である。

最初は谷川沿いの道を行く。砂防ダムをいくつか乗り越えなければならないが、渓谷沿いの道は楽しいものだ。水がきれいで澄んでおり、谷全体が明るく見えるのは、晩秋の青空の下、石英閃緑岩が砕けた砂の白い色のせいだろうか。



50分程歩くと、道が渓流を離れる地点に来るが、もう少し言ったところに本棚の滝という滝がある。本格的に上り始める前に、滝を見に行くことにした。滝まで数分歩かなければならないが、この滝は見るに値する素晴らしいものだ。およそ60mという落差の滝は、その滝口のあたりが岩を切り裂く刃物のような鋭さであり、それがほぼ垂直に落下していた。




滝を見た後、いよいよ険しくなってくる山道を行く。尾根に近づくと、馬酔木の木が目に着くようになる。この常緑樹はすでに小さな花芽を備え来春の準備をすでに始めているようだ。尾根に上れば、下できれいだった紅葉はここではすでに乾いた枯れ葉である。もうこの辺は秋よりも冬の勢力が勝っているのだ。



さらに登り下りを繰り返しながら山道を歩き続ける。天気が良く周囲の山々がはっきりと見え、とても陽気な楽しい尾根歩きだ。風もほとんど無くて、この晩秋にしては寒さを感じることも無かった。尾根歩きは2時間ほど必要だったが、なんとか山頂に到着。ここで遅めの昼食を取り、帰り道は来たときと同じ道を辿って車のところに戻った。

本日の酒
純米酒酒越乃司(今代司酒造)
純米酒越乃司は、新潟市の今代司酒造さんに蔵見学に行き、その後、試飲してみて一番気に入った酒。
試飲した酒は、純米、純米吟醸、純米大吟醸、純米酒しぼりたて生生原酒、辛口純米酒。
この純米酒、香りもよくふくよかな味わいがあり、純米と言うより純米吟醸かと思ったが、実際、精米歩合が65%だということを除けば、造りは吟醸造りなのだという。
試飲は冷で飲んだわけだが、一本購入して来たので、今度は燗をして飲んでみようかと思っている。
原料米:五百万石
精米歩合:65%
アルコール度:15 - 16%


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2008年11月26日水曜日

西多摩の地酒の会

東京は、日本のビジネス、経済、政治等の中心であり、そのイメージから自然があまり豊かではないと思われがちだが、東京にも自然に恵まれた場所もあり、自然の恵みである良き水を使って古くから酒を醸している酒造場もある。

実際、東京には12の酒蔵があり、そのうちの西多摩地域にある4蔵が、立川市の立川ワシントンホテルにおいて、去る11月22日(土曜日)、第8回「西多摩の地酒と酒器を楽しむ会」を開催した。この会に参加してみた。主催者の蔵は、あきるの市の中村酒造場、福生市の石川酒造と田村酒造場、青梅市の小澤酒造であった。

会場は、ホテル3階のカフェ・ド・パリ(http://www.tachikawa-wh.com/cafe/index.html)。20種類の酒が用意されていて、その中には大吟醸、純米代吟醸も含まれ、レストランの料理と一緒に堪能することが出来た。



また、今回で、この「西多摩の地酒と酒器を楽しむ会」も8回目であり、常連の参加者同士は、もう顔見知り同士で、会場に入った時点から打ち解けたムード。このパーティーの最中は、ずっと飲んだり会話したりと楽しく過ごすことができた。各蔵の酒が当たるビンゴゲームも行われ、楽しい時間を過ごすことが出来た。

出された酒はどれも素晴らしく、料理も西洋料理だがよく合う。酒は和風の料理だけでなく洋食にも、どんなタイプの料理にもよう合うと思うが、今回の集いは、酒が西洋料理とも相性が良いことを実証するよい機会だったのではないだろうか。関係者の皆様には、清酒の普及に今後も尽力され、そして人々が様々な料理を清酒とともに楽しめるような機会を設けていって欲しいと思った。

本日の酒
喜正 吟醸生詰 しろやま桜(野崎酒造)
今回の記事は、西多摩の地酒の会について書いたが、喜正の野崎酒造も西多摩地域のあきる野市にある酒蔵。小さな蔵で、昔ながらの酒造りにこだわりを持ち、少量ながら丁寧な造りをしているらしい。
普通清酒は、搾った時点と貯蔵後の出荷直前の時点の2回火入れを行うのだが、生詰酒は、出荷直前の火入れを行わないつまり生の状態で詰める。「生詰」というわけだ。この吟醸生詰酒も、貯蔵による味わいの深まりと生酒の持つ新鮮さがうまく両立していると言える素晴らしい一品である。
アルコール度:16 - 17%



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2008年11月15日土曜日

立川屋台村オープン!


東京都立川市に、「屋台村パラダイス」(http://yatapara.com/)というのが出来て、昨日がオープン初日だというので、友達と遊びに行った。ここには、昭和レトロな感じの小さなレストランが10数件ある。我々は最初の客というわけだ。

夕方5自からの開店で、我々が着いたのがだいたい5時15分。最初、そんなに混んではいなかったが、1時間もするとどの店も席が一杯になった。

最初は焼き鳥屋「炭焼きじゅんちゃん」へ入り、次に沖縄料理屋「波人(なみんちゅ)」に行った。従業員たちは、初めてのことで、まだそんなに仕事に慣れていないみたいだ。実際、最初の焼き鳥屋で勘定を払うとき、我々がまさに会計を支払う客の第一号であり、レジの女の子もかなり手際が悪い。我々も、まあ、気長に勘定をしてくれるを待っていた。レジ係りが計算し終わり金額を言う。私は一万円札を出す。レジ係りはレジを開ける。すると、レジの中は空だ!まだつり銭の用意も出来ていなかったわけだ。

まあ、こんな感じではあるが、とにかく、楽しい場所ではある。こんな場所は私の住んでいる付近にはない。だから、これからもしばしばここに遊びに来てしまうに違いない。

本日の酒
七本鑓純米渡船(冨田酒蔵)
前回に引き続き、今回も滋賀渡船六号を使った酒だ。これは、私の知り合いが店主をやっている居酒屋で飲んだもので、店主は、私がこの酒に興味があるのを知っていて、わざわざ取り寄せてくれたいたのだ。
最初、マイルドな口当たりがあるが、キレがあるように思われる。
原料米:滋賀渡船六号
精米歩合:77%
アルコール度:15~16%
日本酒度:(+)6
酸度:2.1



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2008年10月28日火曜日

滋賀渡船六号


(↑長浜市の橋川酒店)

10月18日、私は滋賀県長浜市にいた。市内の橋川酒店で、「しがさかり 渡舟」(近江酒蔵)という酒を買った。「渡舟」というのは、米の名前で、この酒は「滋賀渡船六号」という米を使っている。

「滋賀渡船六号」は、明治28年に滋賀県農事試験場で育成された品種で、酒米の銘柄品種「山田錦」の親系統にあたる。県内では、奨励品種として大正5年から昭和34年まで、酒造用に栽培されていたが、その後栽培されることがなくなっていた。

しかし、最近になって滋賀県内で試験栽培を開始し、平成17酒蔵年度に試験醸造が行われた。したがって、この酒は商品としては、去年かひょっとすると今年から出始めたばかりかもしれない。

(↓この日は「長浜きもの大園遊会」が開催、街中着物の女性で溢れていた。)


本日の酒
純米吟醸 しがさかり 渡舟(近江酒蔵株式会社)
酸がピリッとして、こくがあるというよりむしろ、強い印象の味。もたついた感じがなく潔い。
原料米:滋賀渡船六号
精米歩合:60%
アルコール度:18.3%
日本酒度:(+)4
酸度:1.9
使用酵母:1601号酵母



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2008年10月14日火曜日

御嶽神社の薪神楽



10月12日、武蔵御嶽神社の薪神楽を見学した。毎年この時期に、御嶽神社に宗教儀式として伝えられている17座の神楽のいくつかが披露されるらしい。

御岳登山鉄道のケーブルカーを下車、20分程度歩くと参道の左右にみやげ物屋・食堂などが並んだ通りに着く。その通りを抜けたところが、大鳥居のある広場になっていて、薪神楽はここに特設舞台を設置して行われる。

7時くらいまで、千本屋さんという休憩ができるみやげ物店で時間をつぶした。この店は私のお気に入りで御岳山に来たときにはしばしば立ち寄る。ここのお奨めは岩清水コーヒーで、お店のご主人が毎朝山道を登って汲んでくる岩清水で淹れた香り高い一杯。

岩清水コーヒーを注文すると、いつもお茶菓子を出してくれる。こんにゃくの刺身や煮たものも出してくれるので、熱燗を注文したくなってしまう。

ところで、このお店でちょっとかわいらしい徳利とお猪口を見つけたので買ってきた。前日が十三夜の月だったが、月見酒にはもってこいのデザインじゃないかな?



さて、薪神楽の方は、7時30分から始まった。「浦安の舞」、「奉幣」、「大散供・剪」、「種かし(稲荷)」という演目が行われた。「種かし(稲荷)」は、帰りのケーブルカーの時間に間に合わないといけないと思い、残念であったが中途で席を立った。

「浦安の舞」は「天地(あめつち)の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」という昭和天皇の御製を歌詞とした、近年に創作された巫女神楽だ。ゆるやかで優雅な舞だが、これは平和を祈念する舞であろうか。



「奉幣」とは、辞書を調べると神前に幣を奉ることとある。鈴を鳴らし、御幣を振って場を祓い清めて神前に幣を奉納する儀式的な舞だ。

「大散供・剪」は、「だいさご・きり」と読み、舞の中にお米を撒く動作がある。米というのは、日本の文化にとって重要な役割を果たしてきたに違いない。米は作物全般を象徴するから、五穀豊穣を祈念する舞なのだろう。

次の演目の「種かし(稲荷)」も米が出てくる。畑を耕し籾を蒔く動作があり、狐がでてくる。狐は稲荷の使いで、稲荷には「稲」という文字、すなわち米が入っている。こちらも農耕とか、五穀豊穣に関係がある舞いのようだ。ヒョットコが客席に下りて米を配ったりもする。



日本の食糧自給率は40%以下らしいが、このような舞を観ると、日本人としては、単に食料自給という観点からだけではなく、日本の文化を守るという意味でも、日本の農業について真剣に考えていかなければならないのではないかと思うのだ。

本日の酒
澤乃井 本醸生(小澤酒造)
御嶽神社大鳥居の前の通りにある紅葉屋という食堂で飲んだ。
酒というものは、同じ銘柄でも、年によって味が微妙に違ったりするものだが、澤乃井の酒は一定の味が保証されているようで安心して飲めます。

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2008年9月27日土曜日

獅子舞と鹿島踊り

奥多摩湖、その湖上に長く突き出ている岬。車一台が通れる程度の道が、岬の先端に向かって延びている。右手に碧色のわずかに波うつ湖水を見ながらこの道を登る。先端に近づくに従い、道は岬の左側を巻き、崖の上から、桜その他の雑木越しに静けさを増した湖面が見下ろせるようになる。初秋の山の空気がすがすがしい。

もう少し歩くと社務所がある広場に出る。広場には数十人の観客がすでに場所取りをしている。右手の石段を、今し方登ってきたばかりの道を右側に見下ろしながら登るとすぐに小河内神社に着く。岬の一番高いところだ。

この神社は、奥多摩湖を堰きとめている小河内ダムが出来たとき、水没した集落のあちこちにあった神社を合祀したのだと言う。

本日9月14日は、この小河内神社のお祭りで、9時から獅子舞や踊りの奉納がある。これを見学しようと思って、我々は早朝から電車、バスを乗り継いでやって来ているのだ。

神社へ続く石段で待っていると、遠くからしっとりした空気の中を篠笛の音色が響いてきた。澄んだ高い音色に合わせて太鼓も聞こえる。眼下の道を目でたどるが、左に曲がって山陰に隠れてしまう。お囃子はだんだん近づいて来ているようで、そのうち山陰から獅子舞の一団が姿を現すに違いない。なんだか、とってもわくわくする。

やがて、祭りの半纏のようなものを羽織った先導者に続いてついに獅子舞の一団がやって来た。篠笛奏者たち、花笠を被ったささらすり数名、万燈、獅子頭を被った舞い手3名などが並んで行進し、子供がその周りを、行ったり来たりしながら付いて来る。

この獅子舞は、坂本地区の獅子舞で、この日は、他に川野地区、原地区の獅子舞も上演された。これらの獅子舞は、三匹獅子舞、ささら獅子舞などと呼ばれる形式のもの。各獅子舞は、腰に付けた太鼓を叩きながら舞う三人の一人立ち獅子と、花笠を被った数人のささらすりによって舞われる。そして、数人の篠笛による伴奏がつくというのもどこの獅子舞にも共通しているようだ。

獅子は、地域によって呼び方にバリエーションがあるが、大太夫、小太夫、女獅子があり、角や色で、それとなく見分けがつく。たとえば、大太夫の角はネジのように螺旋状のすじが入っており、女獅子には角が無いか角の代わりに宝珠を戴いている。

これら三匹の獅子が、いろいろな演目を舞うのであるが、各演目のストーリ自体は素朴で他愛もないものが多い。たとえば、竿懸かりなどと呼ばれる演目では、三匹の獅子が山の中を進むうちに倒木によって道をさえぎられ、向こう側に行けずに途方に暮れる。しかし、いろいろ頑張った末に三匹がめでたく通過出来て、そのあと皆で喜んで仲良く舞い遊ぶといった内容だ。実にほほえましいストーリではないか。



さて、三つの地区から来た獅子舞が終わると、次に鹿島踊りが奉納される。この芸能は6人の男性が女の着物を着て踊るもの。以前は、付近の集落の氏神である加茂神社の旧暦6月15日の祇園祭に披露されていて、祇園踊りと呼ばれていたらしい。

あでやかな衣装、金色の冠、気品と落ち着きのある踊り、味わいのある歌詞の唄にあわせて踊る風雅な踊り。こんな山奥にこのような素晴らしい芸能が伝わり、そして現存していることはまったく驚嘆に値する。

この鹿島踊りは、この日は五曲が披露されたが、どれも最後に呪文みたいなことを唱えて終わる。何と言っているのか、どういう意味なのかは不明だが、この様式で独特の神秘的な雰囲気がかもし出される。



本日の酒
本醸造 銀嶺立山(立山酒造)
8月に、北アルプス剱岳に登ったときに、山小屋で飲んだ酒。このときは、ワンカップ酒の冷酒だった。口当たりもよく飲みやすいが、しっかりとした味が感じられる。後味はたいへん辛口であるがさっぱりしている。最近、この酒を近所の酒屋で売られていたのを発見。最近は、これを買ってきて燗をして飲んでいる。燗をすると、悪くはないが、ややアルコール感が強くなるかも。

原料米:五百万石
精米歩合:70%
アルコール度:15.3%
日本酒度:(+)5.0
酸度:1.4