2008年12月4日木曜日

新潟清酒達人の集い

新潟清酒達人検定という、新潟清酒の知識力に関する認定試験が、今年3月に実施され、合格者は「銅の達人(3級相当)」として認定された。この検定試験は、今年から始まり、毎年実施していく予定で、来年は二級相当の「銀の達人」も認定される予定だという。

私も、この試験を受け「銅の達人」に合格している。去る12月2日には、合格者向けに「新潟清酒達人の集い」なるパーティーが新潟で開催されたが、私も参加して来た。会費は有料で5000円、新潟への往復の旅費やら宿泊費やら、参加はかなり高くつくのであるが、新潟には何人か知り合いもおり、また新潟は、食べ物も美味しく人々も親切であるなど、一言で言えば良いイメージがあるので参加したのだ。

また、酒造業関係で翻訳の仕事などが出来ればラッキーなので、新潟の蔵元さんや酒造業界関係の方に、とりあえず顔だけでも覚えてもらおうかという気持ちもあった。


紬の着物を着て参加したら、ただでさえでかくて(私の身長は188cm)目立つ男がさらに目立ったようで、テレビのインタビューなども受けてしまった。目立ちたがり屋は、どこに行くにも着物を着ていくといいなとつくづく思う。

そのおかげかどうかは判らないが、蔵元さんや、新潟県の産業労働観光部の方などとお話することができ、名刺交換なども出来てたいへん有意義であった。「新潟清酒達人検定公式テキストブック」の英語化などの話も出ており、今後は、新潟県も世界に清酒の良さをアピールして行くことだろう。こういう状況になれば、私のような酒飲みでかつ翻訳が出来る人材はかなり有用ではないだろうか?好きな酒のことを英語にして世界の人に紹介していく、そういう仕事が出来るなら酒飲みとしてはたいへん幸せなことに違いない。



かつて、新潟の酒は今と比べるとそれほど人気は無かった。日本酒の醸造技術が未発達であった頃は、新潟の水が軟水であるため、酵母菌などの微生物の活動が不十分で発酵がうまく進まなかったらしい。その結果、新潟県で酒を作っても良い酒は出来なかったという。

近年、醸造の技術が向上し、軟水を使った長期低温発酵による酒造りが比較的容易になって来た。また、人々の酒の嗜好の変化もあり、新潟産の後味のすっきりしたきれいな味わいの酒も人気が出てくる。かくして新潟県は、今では清酒出荷量において、兵庫県や京都府に次ぐ出荷量を誇るようになる。そこにはもちろん、県内の酒造関係者の絶え間ない努力があったことだろう。

新潟市には、今年「新潟酒の陣」の際に来て、そして今回また「達人の集い」で訪れたわけだが、前回も今回も感じるのは、新潟県の蔵元、醸造試験所、酒造組合など酒造関係の方々の、一丸になって新潟清酒を盛り立てていこうとする意気込みである。

たとえば、県独自の酒米「越淡麗」の開発、酒造業界内での勉強会や技術交流活動、清酒学校などの教育研修機関の充実、新潟ブランドを守り育てようとする産地呼称制度など、関係者の努力には感銘を受ける。今回の「清酒達人の集い」も、もちろん新潟清酒を推進して行こうとする活動の一環に違いなかろう。

今回、私が東京から参加したと知ると、主催者側の人たちは皆一様に「よく遠くから来てくれました。本当にありがとうございました」と、頭を深々と下げて心の底から感謝してくれる。本物の気持ちが伝わって来るのである。私は、特に新潟の酒が好みというわけではないが、このように感謝されたので、ますます新潟の酒を応援したくなってしまった。

ところで、今回残念だったのは、いろんな人とおしゃべりをしたり、名刺を交換したりしていて、旨い料理や酒を十分に楽しむことが出来なかったことだ。魚介類の美味しい新潟だと言うのに、料理は気づいたときには、サンドイッチ、ケーキ、フルーツぐらいしか残っておらず、そういった食べ物を食べながら酒を飲んだのは、なんとなく納得がいかなかった。まあ、しかし、最後にお土産の四号瓶一本がもらえたので良しとしよう。

本日の酒
「新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり」と「熟成ふなぐち菊水一番しぼり」(菊水酒造)
缶酒である。新潟からの帰りの新幹線車内で飲んだ酒である。各地の珍しい食べ物を味わうのも旅の楽しみのひとつである。

電車の中で食べる駅弁とか、お茶とか、そういった食べ物や飲み物も乙なものだ。だから酒なども、カップ酒や缶酒がいいのである。

しかも、この缶酒は、缶酒だからと言って軽んじることは出来ないぐらい旨い!「新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり」は本醸造生原酒、「熟成ふなぐち菊水一番しぼり」は吟醸生原酒であり、どちらも濃醇で飲み応え十分だ。後者の方が吟醸ということもあり香りがさらに華やかである。

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