2008年10月28日火曜日

滋賀渡船六号


(↑長浜市の橋川酒店)

10月18日、私は滋賀県長浜市にいた。市内の橋川酒店で、「しがさかり 渡舟」(近江酒蔵)という酒を買った。「渡舟」というのは、米の名前で、この酒は「滋賀渡船六号」という米を使っている。

「滋賀渡船六号」は、明治28年に滋賀県農事試験場で育成された品種で、酒米の銘柄品種「山田錦」の親系統にあたる。県内では、奨励品種として大正5年から昭和34年まで、酒造用に栽培されていたが、その後栽培されることがなくなっていた。

しかし、最近になって滋賀県内で試験栽培を開始し、平成17酒蔵年度に試験醸造が行われた。したがって、この酒は商品としては、去年かひょっとすると今年から出始めたばかりかもしれない。

(↓この日は「長浜きもの大園遊会」が開催、街中着物の女性で溢れていた。)


本日の酒
純米吟醸 しがさかり 渡舟(近江酒蔵株式会社)
酸がピリッとして、こくがあるというよりむしろ、強い印象の味。もたついた感じがなく潔い。
原料米:滋賀渡船六号
精米歩合:60%
アルコール度:18.3%
日本酒度:(+)4
酸度:1.9
使用酵母:1601号酵母



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2008年10月14日火曜日

御嶽神社の薪神楽



10月12日、武蔵御嶽神社の薪神楽を見学した。毎年この時期に、御嶽神社に宗教儀式として伝えられている17座の神楽のいくつかが披露されるらしい。

御岳登山鉄道のケーブルカーを下車、20分程度歩くと参道の左右にみやげ物屋・食堂などが並んだ通りに着く。その通りを抜けたところが、大鳥居のある広場になっていて、薪神楽はここに特設舞台を設置して行われる。

7時くらいまで、千本屋さんという休憩ができるみやげ物店で時間をつぶした。この店は私のお気に入りで御岳山に来たときにはしばしば立ち寄る。ここのお奨めは岩清水コーヒーで、お店のご主人が毎朝山道を登って汲んでくる岩清水で淹れた香り高い一杯。

岩清水コーヒーを注文すると、いつもお茶菓子を出してくれる。こんにゃくの刺身や煮たものも出してくれるので、熱燗を注文したくなってしまう。

ところで、このお店でちょっとかわいらしい徳利とお猪口を見つけたので買ってきた。前日が十三夜の月だったが、月見酒にはもってこいのデザインじゃないかな?



さて、薪神楽の方は、7時30分から始まった。「浦安の舞」、「奉幣」、「大散供・剪」、「種かし(稲荷)」という演目が行われた。「種かし(稲荷)」は、帰りのケーブルカーの時間に間に合わないといけないと思い、残念であったが中途で席を立った。

「浦安の舞」は「天地(あめつち)の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」という昭和天皇の御製を歌詞とした、近年に創作された巫女神楽だ。ゆるやかで優雅な舞だが、これは平和を祈念する舞であろうか。



「奉幣」とは、辞書を調べると神前に幣を奉ることとある。鈴を鳴らし、御幣を振って場を祓い清めて神前に幣を奉納する儀式的な舞だ。

「大散供・剪」は、「だいさご・きり」と読み、舞の中にお米を撒く動作がある。米というのは、日本の文化にとって重要な役割を果たしてきたに違いない。米は作物全般を象徴するから、五穀豊穣を祈念する舞なのだろう。

次の演目の「種かし(稲荷)」も米が出てくる。畑を耕し籾を蒔く動作があり、狐がでてくる。狐は稲荷の使いで、稲荷には「稲」という文字、すなわち米が入っている。こちらも農耕とか、五穀豊穣に関係がある舞いのようだ。ヒョットコが客席に下りて米を配ったりもする。



日本の食糧自給率は40%以下らしいが、このような舞を観ると、日本人としては、単に食料自給という観点からだけではなく、日本の文化を守るという意味でも、日本の農業について真剣に考えていかなければならないのではないかと思うのだ。

本日の酒
澤乃井 本醸生(小澤酒造)
御嶽神社大鳥居の前の通りにある紅葉屋という食堂で飲んだ。
酒というものは、同じ銘柄でも、年によって味が微妙に違ったりするものだが、澤乃井の酒は一定の味が保証されているようで安心して飲めます。

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