2009年7月2日木曜日

良い酒とは

日本酒の面白さは、銘柄が豊富で、各蔵元がそれぞれに特徴のある味わいの酒を造っているということだと思っています。また、このことで、私たちは、いろいろな酒を飲み比べる楽しむことも出来るというものですね。


しかし、自分も含めて、日本酒愛好家は酒そのものに気を取られがちになることがあります。味はどんなだとか、原料米は何かとか、酒母は生酛かとか、精米歩合の割に雑味がどうとか、熟成具合がどうだとかなどと難しいご託を並べ始めてしまいがちです。これは度が過ぎると、料理の味わいや、酒を飲みながらの語らいに注意が向かなくってしまい、何のために酒があるのか分らなくなってしまいます。

こんなことを考えると、「良い酒は、料理の味を引き立て、飲んでいる人たちを楽しくさせるような酒。飲む人に酒自体をあまり意識させないような酒ではないか?」と、最近そんなことを考えます。

そして、このようなことを考えるようになったのは、実はある杜氏さんが言った次のような言葉がきっかけでした。「私の目指す酒は、あまり難しいことを考えずに、どんどん飲めて、気づくと目の前に一升瓶が転がっていたというような酒なんです。」

この言葉、最初は「へ~、そんなもんですかね?」と、あまり深く考えもせず、「それじゃ酒の面白みがないのでは?」って思っていました。それが、後になって何回も思い出してその意味を噛締めると、これって本当にすごいことなのじゃないかと思えてきました。


これと言って味や香りに特徴もないのだけれど、飲めば飲むほど楽しくなり、酔えば酔うほど幸せになり、翌朝ふと目覚めると、とても爽快な気分で、「昨夜はずいぶんと飲んだな~、それにしても、楽しかったな~、なんであんなに楽しかったんだ?」って思えるような酒。しかも、その酒の味がどんな味だったか思い出そうとすると、あまり印象になく、ただ美味かったなと思える酒。こういう酒こそ、本当に良い酒なのではないでしょうか?



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