2010年4月29日木曜日

ひと振り酒

酒は、飲用だけでなく、料理や美容などにも利用することができるのは、よく知られている。

酒を原料とした化粧水は美白の効果があるらしい。私は面倒なので、直に顔に塗っている。風呂上りと朝の洗顔後に、少量を顔に塗っていたら、今年の冬は膚がかさつかずにいい具合であった。酒を顔に塗るなどもったいないと言う人もいるだろう。しかし、飲む量に比べたら微々たるものである。

料理にも酒は有用だ。誰でも一度や二度食べたことがあるかと思うが、浅蜊の酒蒸しなどは、たいへん美味な料理である。かつて、ある酒造場で貴醸酒(醪を醸すときに、水の代わりに日本酒を用いて醸す酒)を試飲させてもらったとき、炒飯を炒めるときに、この酒を少量加えたら旨い炒飯が出来そうだと、ふと思ったことがあった。まだ、試してはいないが、いつかやってみようと思っている。

そんなことを考えていた最近のこと、「Cooking Magic!」というサイトを発見した。日本酒造組合中央会が、「日本酒を使う」ことを広く伝えることを目的として開設したサイトだ。4月下旬から開始した全国キャンペーン「日本酒を、すべての家庭に」の一環のようだ。

キャンペーン用のオリジナルボトルは、断面が三角形の180ml入り。冷蔵庫に入れるとき、他の断面が円形のビンとビンの隙間に入れるのに丁度良いように設計されている。これなら、冷蔵庫に入れておくのに邪魔にならず便利そうだ。

このサイトでは、日本酒を使ったレシピも掲載されている。そして、とくに注目は「ひと振り酒」というコンセプト。いろいろな食べ物に酒をひと振りすると美味しくなるというのだ。料理酒というよりむしろ醤油や塩などのような調味料感覚で使えるのがいいところだろう。ご飯を炊く前に釜の中にひと振り!冷めたご飯やお惣菜は、レンジでチンする前にひと振り!カップラーメンもお湯を入れたら酒をひと振り!大した料理も作らない自分にとっては、これはなんともお手軽ではないか!

さっそく試してみよう。パック入りのご飯、電子レンジでチンするやつね。これ、レンジに入れる前に酒を少々振りかけてみた。出来あがったご飯は、つやつやしっとりしてたいへん旨い。いくぶん酒臭い気がしたが、それは多く掛け過ぎたからに違いない。振りかける量は、いろいろ調整すればよいだろう。



次に試したのは、カップラーメン。お湯を注いだ後、すかさずカップの中に酒を注ぐのだ。これは、アルコールが残っている感じがして、食べていたらちょっとほろ酔い加減になる。ノンベエは、ついつい酒を多めに入れてしまうようだ。だが、いつも食べているシーフードヌードルよりも一段とコクのある味がした。アルコールに弱い人は、あらかじめ煮切り酒にしておいて、アルコールをとばしておくといいかも知れない。



これからも、いろいろなものに「ひと振り酒」を試してみようと思った。


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2010年4月23日金曜日

ワイングラスで飲むか、お猪口で飲むか?

日曜日のJapan Timesの特集記事で、ロンドンのシェフでありテレビ番組司会者のSilvena Roweさんのことが掲載されていた。(U.K. chef hails sake as 'sexy')

彼女は、3月に2週間ほど来日していて、フジテレビの朝の番組「特ダネ」に出演したらしい。その番組の録画が行われる少し前に、Japan Timesのインタビューがあったようだ。

2009年秋に、ロンドンで開催されたInternational Wine ChallengeでSake Contributor Awardを受賞している。この賞がどういう賞なのか詳細は知らないが、日本酒と西洋料理との組み合わせに関して功績が認められたというようなことらしい。

欧米人に酒の美点を理解してもらうためには、酒の出し方を変えた方がよいと彼女は主張する。「"If I had sake, I wouldn't put it in a small cup. I would put it in a big wine glass and serve it like a beautiful white wine,"(お酒を飲むなら小さなお猪口ではなく、良質の白ワインのように大きいワイングラスにそそいで出します。)」と言っている。空気に触れさせて、グラスを揺すって鼻を近づけ、香りを嗅ぎ、色や照り、グラス表面への乗り具合などを確認する。欧米式なやり方であるが、こうすることで、初めて酒のよさが判るのだと言う。

香り(特に引込み香)の良い酒を楽しむためには、大きなワイングラスというのはよいアイデアであろう。また、空気に十分に触れされ味を引き出す効果もあろう。

ところで、昨年米国に輸出された日本酒の1リットル当たりの輸出額は、韓国、台湾、中国などに輸出された日本酒よりも、2~3倍くらい高い。これは、日本酒の各国への輸出量と輸出金額から計算できる。米国の(そしてたぶんヨーロッパの)消費者は比較的高級な特定名称酒を多く飲んでいるということが推測できる。欧米の消費者には大きなワイグラスで酒を飲んでもらうのがいいかも知れない。

ちなみに、日本式の唎き酒では、専用の唎き猪口は一合も入る大きなものを使用する。磁器であるからワイングラスのように透明ではない。その代わり、色や照りを見やすいように、内側の底に藍色の蛇の目が描かれている。その意味では、機能面では大きなワイングラスに近いとも言えそうだ。



ところで、私自身はどうかと言えば、やはり陶器のお猪口でお酒を飲むのが好きである。欧米人にはちょっと苦手かも知れないし、行儀悪く聞こえるかもしれないが、日本人は酒をズズ~ッと音を出してすするのが得意である。私も、この酒をすする飲み方をするが、この方法は、酒が空気に触れながら口に入って行くので、酒の味が引き出されやすいのかも知れない。




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2010年4月20日火曜日

アウトドアお酒

日本人の横並び意識というべきか、4月になると猫も杓子も花見だね。斯く言う私も、桜のつぼみが膨らみかけると、今年はどこに花見に出かけようかといろいろ考えをめぐらすのだ。

でも、上野の公園や、靖国神社などの混雑した場所はちょっと苦手だ。そこで、どこかに穴場はないかと考えるわけだ。

数年前に、奥高尾にハイキングしたときのこと。一丁平という場所で、花見をしながら酒盛りをしている連中を見かけた。なるほど、ここは空いていて花見にいい場所だ、こんど来ようと、その時に思った。2年前に、ここで花見をしたが、小雨が降って霧が深い中、震えながら酒盛りをした。それなりに楽しかったけど、花見のコンディションとしてはベストじゃないね。もっと天気がいい時にやりたい。

そこで、今年も、奥高尾の一丁平に花見に行って来た。4月18日のことである。



実際、高尾山は、メチャ混み。こりゃ、「ミシュランガイド東京2008」に高尾山が掲載されたせいだな。静かな高尾山を返せ~!

一丁平まで行けば、人が減るかと期待していたが、こっちもかなりな人出だ。それでも、なんとか空いているベンチを見つけた。そこで花見酒を楽しもうというのである。

アウトドア用のガスバーナーで湯を沸かして、それにワンカップ酒をドボンと浸けて、2~3分も温めりゃ、程よく燗がつけ上がるというものだ。

まだまだ、この季節、外は寒い時があるから、冷よりも断然燗がいい。
ただし、山を降りるのに、ケーブルカーを使うとしても、少なくとも30分は山道を歩かなければならない。飲み過ぎは禁物だ。


そして、今日の土産はこれ。京王線高尾山口駅の売店で売っていた「高尾山」という名の酒。



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2010年4月16日金曜日

山の上の獅子舞

10日の土曜日の獅子舞は、素晴らしいものだったのだが、太刀懸がバスの時刻の関係で見られなかったことが残念なことであった。また、土曜日はあくまでリハーサルであり、本番の舞も見てみたいものだと思った。

翌11日の日曜日の午後、私は車を運転していた。行き先はもちろん、高水山常福院不動堂。

不動堂は、高水山の頂上直下のところにあり、そこへは車でくねくねの林道を上って行くわけだ。土曜日にリハーサルが行われた常福院本堂の少し手前に、林道の入り口がある。林道は、狭いところでは車がやっとすれ違える程度の幅で、途中に未舗装の区間があり、またかなり手前から終点までの区間も未舗装だ。しかし、車なので、15分も運転すれば終点に着く。終点で、交通安全の係の方がいて、お寺の駐車場がすでに満杯なので、林道に縦列駐車するよう指示される。



駐車して、坂が急なので、車の輪止めにする岩がないか辺りを探す。すでに上からは篠笛の高い音色や、太鼓を敲く音が、まるで早くこっちへ来いと言っているように聞こえてくる。急かされるように、やっと手ごろな岩を見つけて輪止めをすると、急ぎ足で登山道を上って不動堂に向かった。

高水山は、よくハイキングに来るところなので、頂上付近はよく知っている。いつもは、徒歩でだいたい1時間30分くらいかけて登っている山だが、成木側から車で登るのは今回が初めてである。楽をして登ったけれども、やはり山の中というのは、空気が澄んでいて気持ちがいい。

急な石段を、息を切らせて登りきり山門をくぐると、不動堂の庭であり、雌獅子隠の演目が行われているところだった。太刀懸という演目は次なのでちょうどよいタイミングだ。見物用の席は、意外と空いていていた。後に座っている人の邪魔にならないかと、ちょっと気が引けたが、空いているんだから、まぁいいかと思い、一番前の席に座らせていただく。よく晴れていて日差しは暑いくらいだ。じっと獅子舞をみているだけでも汗がでてくる陽気である。着ていたジャケットを脱ぎ、その下のベストも脱いでも、山道を急いで登ってきたせいもありまだ暑い。



不動堂の庭先では、前日にも見た雌獅子隠が上演されている。前日に見ているので、だいたい見せ場がどの辺かも分かって来た。太夫、または小太夫が雌獅子に言い寄って、連れて行こうとする場面が好きだ。雌獅子は、最初は拒否しつつも、だんだんと心が動き二頭の雄の間で葛藤するところが、何ともいい味が出ている。



会場では、カメラを構える人、まじめに獅子舞を観賞する人、甘酒や綿菓子を食べながら単に世間話をしている人など、いろいろなタイプの人達がいて、全体的にゆる~い感じだ。こうゆる~い感じは、民俗芸能のいいところだろう。いい感じに酔ったおじさんが、東京の地酒澤乃井「五段仕込み」の一升瓶を持ってうろうろして、しきりに会場に来ていた人達にすすめていた。いいですね。祭りあるところに地酒あり。「私にも一杯」と言いたいところだが、今日は車を運転しているので我慢我慢。

さて、最後の演目はお待ちかねの太刀懸であるが、こちらは、途中で雨が降って来たため中断。残念なり。それでも、場所をお寺の建物の中に代え、演目の多くの部分を省略し、屋内では狭くて危険なので真剣を木剣に代えて再開。真剣と木剣とでは、全然迫力が違うだろうから、太刀懸は、来年もう一度来て、じっくりと見せてもらうことにする。


本日の酒
白麹使用純米嘉泉(田村酒造場)
東京都福生市にある老舗の田村酒造場の新製品。
その名の通り、白麹菌を使って作った米麹を一部使用している。
日本酒の麹造りには、普通は黄麹菌を使う。白麹菌は焼酎の麹造り用だ。そのせいか少し焼酎のような香りがする。辛口のさっぱりした感じで酸も高い。常温ではややそっけない味だが、お燗をすることで、まろやかな味に変化する。




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2010年4月11日日曜日

獅子は狂う

高水山には、ハイキングで何度も登ったことがある。その頂上には、常福院という寺の不動堂があり、またその寺の本堂の方は、麓の成木地区にある。毎年、4月の第二週目の日曜日には、この常福院不動堂に、獅子舞が奉納されるが、その前日の土曜日には麓の本堂の庭で獅子舞のリハーサルが行われる。


そこで、土曜日は、本堂の方の獅子舞を見に行ってみた。JR河辺駅からバスで35分終点の上成木で降りて、すぐのところに常福院がある。境内では、風船、甘酒、綿菓子、みんな0円だった。


篠笛の澄んだ高い響きは、獅子舞には欠かせない要素の一つ。


花笠を被った、ささらすりの方々は、小学生の女の子のようだったが、中には、本当にまだ幼い子もいて、頑張っている姿は微笑ましい。着物は黒の五つ紋の中振。とてもおしゃれだ。


太夫は、ねじり角に金色の頭、小太夫は直角に黒の頭、赤い顔をした雌獅子には角がない。


三匹獅子舞で、獅子が踊りまくる場面を、獅子が「狂う」というようだ。




本日の素晴らしい舞の余韻にひたりながら、いちべーは本日も「居酒屋放浪記!」
立川の「炙り居酒屋青海」です。



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2010年4月4日日曜日

川越遊び

久々の小江戸、川越に、花見がてら遊びに行く。

氷川神社の裏手を流れる小さな川で、舟にから桜を楽しもうという人たち。

昼食は、COEDOビールを飲みながら・・・


もう少し、飲みたいし、酒も飲みたい。銘酒鏡山が飲める鮨屋「風凛」へGo!

蓮馨寺では、「小江戸川越着物姿コンテスト」が開催されていた。

参加者の中には、こんな方ステキな着物姿の方もおられた。思わず、一緒に写真を撮らせていただいた。

てんこもりラーメン食いたいか~?

そして、こちらはお土産に買った純米吟醸鏡山。

今日は、本当に楽しかった。ありがとう、川越。また来ます!


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