2010年4月16日金曜日

山の上の獅子舞

10日の土曜日の獅子舞は、素晴らしいものだったのだが、太刀懸がバスの時刻の関係で見られなかったことが残念なことであった。また、土曜日はあくまでリハーサルであり、本番の舞も見てみたいものだと思った。

翌11日の日曜日の午後、私は車を運転していた。行き先はもちろん、高水山常福院不動堂。

不動堂は、高水山の頂上直下のところにあり、そこへは車でくねくねの林道を上って行くわけだ。土曜日にリハーサルが行われた常福院本堂の少し手前に、林道の入り口がある。林道は、狭いところでは車がやっとすれ違える程度の幅で、途中に未舗装の区間があり、またかなり手前から終点までの区間も未舗装だ。しかし、車なので、15分も運転すれば終点に着く。終点で、交通安全の係の方がいて、お寺の駐車場がすでに満杯なので、林道に縦列駐車するよう指示される。



駐車して、坂が急なので、車の輪止めにする岩がないか辺りを探す。すでに上からは篠笛の高い音色や、太鼓を敲く音が、まるで早くこっちへ来いと言っているように聞こえてくる。急かされるように、やっと手ごろな岩を見つけて輪止めをすると、急ぎ足で登山道を上って不動堂に向かった。

高水山は、よくハイキングに来るところなので、頂上付近はよく知っている。いつもは、徒歩でだいたい1時間30分くらいかけて登っている山だが、成木側から車で登るのは今回が初めてである。楽をして登ったけれども、やはり山の中というのは、空気が澄んでいて気持ちがいい。

急な石段を、息を切らせて登りきり山門をくぐると、不動堂の庭であり、雌獅子隠の演目が行われているところだった。太刀懸という演目は次なのでちょうどよいタイミングだ。見物用の席は、意外と空いていていた。後に座っている人の邪魔にならないかと、ちょっと気が引けたが、空いているんだから、まぁいいかと思い、一番前の席に座らせていただく。よく晴れていて日差しは暑いくらいだ。じっと獅子舞をみているだけでも汗がでてくる陽気である。着ていたジャケットを脱ぎ、その下のベストも脱いでも、山道を急いで登ってきたせいもありまだ暑い。



不動堂の庭先では、前日にも見た雌獅子隠が上演されている。前日に見ているので、だいたい見せ場がどの辺かも分かって来た。太夫、または小太夫が雌獅子に言い寄って、連れて行こうとする場面が好きだ。雌獅子は、最初は拒否しつつも、だんだんと心が動き二頭の雄の間で葛藤するところが、何ともいい味が出ている。



会場では、カメラを構える人、まじめに獅子舞を観賞する人、甘酒や綿菓子を食べながら単に世間話をしている人など、いろいろなタイプの人達がいて、全体的にゆる~い感じだ。こうゆる~い感じは、民俗芸能のいいところだろう。いい感じに酔ったおじさんが、東京の地酒澤乃井「五段仕込み」の一升瓶を持ってうろうろして、しきりに会場に来ていた人達にすすめていた。いいですね。祭りあるところに地酒あり。「私にも一杯」と言いたいところだが、今日は車を運転しているので我慢我慢。

さて、最後の演目はお待ちかねの太刀懸であるが、こちらは、途中で雨が降って来たため中断。残念なり。それでも、場所をお寺の建物の中に代え、演目の多くの部分を省略し、屋内では狭くて危険なので真剣を木剣に代えて再開。真剣と木剣とでは、全然迫力が違うだろうから、太刀懸は、来年もう一度来て、じっくりと見せてもらうことにする。


本日の酒
白麹使用純米嘉泉(田村酒造場)
東京都福生市にある老舗の田村酒造場の新製品。
その名の通り、白麹菌を使って作った米麹を一部使用している。
日本酒の麹造りには、普通は黄麹菌を使う。白麹菌は焼酎の麹造り用だ。そのせいか少し焼酎のような香りがする。辛口のさっぱりした感じで酸も高い。常温ではややそっけない味だが、お燗をすることで、まろやかな味に変化する。




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