2008年9月2日火曜日

利き猪口

利き猪口というのは、利き酒の時に使う磁器で、内側の底に白い磁器肌に藍色の蛇の目が描かれている。この蛇の目の藍色の部分で酒の透明度を確認し、白い部分で色合いを見る。



今年になってから、新潟県長岡市の酒蔵で取締役営業部長をしている方と知り合いになり、その後、2度ほどこの人の酒蔵を訪ねたことがある。当然、蔵の中で、いくつか酒を試飲させてもらうことになった。このときに、使わせてもらったのが利き猪口である。この利き猪口は1合くらい入りそうなもので、本格的な利き酒用のもののようだ。唇が触れる部分も薄く仕上がっており、酒を口に含みやすく出来ている。

ところで、昨日(2008年9月1日)は、富士山の五合目までドライブをして、その帰りに、圏央道のあきる野インターを降りた付近にある中村酒造に寄り道した。この造り酒屋では、千代鶴という東京の地酒を醸造しているが、敷地内に「酒造り資料館」という場所がある。資料館には、甑(こしき)、さな板、麹蓋、槽(ふね)、半切桶、壷代(つぼだい)、暖気樽(だきだる)といった、往時に酒造りに使用されていた道具類が展示されている。




一角には売店があり、この酒蔵で製造された酒の試飲もできる。残念ながら今回は車で来ているので、試飲はせず、その代わり土産に千代鶴の利き猪口を買ってきた。



これは、長岡の酒造で使わせてもらった利き猪口と比べると、重量感があり唇があたる縁の部分が明らかに分厚い。後で調べてわかったのだが、国税庁が鑑評会のきき酒用として公式に使用している「業務用」利き猪口は、縁が薄くて軽く出来ていて、器の底の蛇の目が釉薬の上に濃く描かれているらしい。私の買った利き猪口は「一般用」の利き猪口で、最初に蛇の目が描かれその上に釉薬がかかっている。

とはいえ、やはり大きな利き猪口で飲むと酒の味や香りがよくわかるような気がする。酒を口に含むとき、少し多めにすすり、同時に鼻が猪口の中に入る格好になるので、酒の香りもよくわかるというものだ。

本日の酒
朝日山 千寿盃(朝日酒造株式会社)
新潟と言えば淡麗な酒が多いが、これも淡麗な味わいの辛口本醸造である。ピリッとした爽快なキレがあり、今は夏なので冷やして飲んでいる。もう少し涼しければ燗でもよいかも知れない。
ところで、裏ラベルにの右下の方にあるNIIGATA・O・Cのマークは、Niigata Original Controlの略。醸造に使用する水質、原料米、技術などに関して一定の基準を設け、これらが満足したと認定される酒に対して、新潟清酒産地呼称協会が、このシンボルマークの使用を許可してる。
精米歩合:60%
アルコール度:15 - 16%

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