2011年10月2日日曜日

猿橋を見ると五橋が飲みたくなるという話

平成23年9月9日。各地に被害をもたらした台風12号の影響による大雨は、普段は澄んだ流れであろう桂川を灰褐色に濁った奔流に変えていた。流れは峡谷の切り立った崖に轟いている。その上方に、なにやら手の込んだ構造物が、晴れ渡った空を背景にして、両岸の崖を繋いでいる。日本三大奇橋の一つと言われる猿橋である。



猿橋は、山梨県大月市を流れる桂川に掛かる、構造的には刎橋という橋らしい。すなわち、岸の岩盤に穴を穿ち、そこに刎ね木を斜めに差込む。その、中空に突き出た刎ね木の上にさらに、別の刎ね木を重ねて、下の刎ね木よりも幾分長く突き出す。これを何本も重ねると、だんだんと中空に向けて重ねられた刎ね木が遠くに伸びていく。両岸で同じように作業をすれば、終いには、双方の刎ね木が接するほどになるので、これを足場にして上部構造を構築し、橋を構成するのである。

木造の美しい橋であり、刎ね木や桁を雨から守るために、それぞれの刎ね木や桁の必要な場所に小さな屋根が設けられているが、その様子が、なんとも手の込んだ豪華な感じであると同時にかわいらしくもある。

ところで、日本三大奇橋、猿橋以外の残り二つは何かという疑問が生じる。調べてみると、一つは山口県岩国市の錦帯橋、あとの一つは、栃木県日光市の神橋であるとか、徳島県西祖谷山村のかずら橋であるとか、諸説がありよく判らない。

しかし、少なくとも錦帯橋が三大奇橋に数えられていることは確かなようだ。錦川に帯のように掛かる橋だから、錦帯橋ということか。四つの橋脚に、三つのアーチ状の橋が掛かり、さらに両端の橋脚と岸を、やや反りの少ない橋が繋ぎ、都合、五連の橋となっている。写真やテレビなどの映像を見ただけで、実物はまだ見たことがないが、いつか実際にこの目で見てみたいものだ。

そう言えば、山口県岩国市の地酒「五橋」の銘柄は、この五連の錦帯橋に因んだものらしい。

などと、いろいろ考えたり調べたりしていたら、なんだが五橋が飲みたくなる。そうだ、あの優美な錦帯橋の姿を思い描きながら、五橋という麗しき酒を飲もう。ああ、燕を相手に剣の修行をする小次郎の姿が心に浮かぶな~(錦帯橋が出来たのは小次郎の没後らしいが、そんなことはこの際どうでもよいのだ)。

さっそく、近くの酒屋さんで買ってきたのがこれだ。



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